そんな私に似ていたのは幼なじみで私の初恋の人、藍純悠永だった。

悠永と私は彼女達とは逆方向に家があった。

悠永と私の家は隣同士で、産まれた病院も幼稚園も一緒だったから必然的に同じ時を過ごしていた。

悠永も大人しくて真面目、そしてポーカーフェイス。

だけどそれが私にとってはすごく居心地が良かった。

悠永といると安心する。

悠永と一緒に教室の片隅で積み木をして遊ぶと静かな高揚感が生まれる。

そして同じような性格だから私は悠永の心を読める。

今この瞬間、私に求められているものが自然と分かった。

1人にしておいてほしそうなら遠くから彼を見つめ、寂しそうな顔をしていたら悠永の隣に座った。

悠永が喋らなくてもその視線の先にあるものを見つけて持ってくる。

積み木の他にもレゴブロックや折り紙、たまに紙粘土で遊んだ。

他の子達が先生の手を引いて教室から飛び出していき、2人で取り残されると私は嬉しかった。

皆と遊ぶより悠永と無言でも心を通わせられる2人の静かで穏やかな時間が好きだった。

そして次第にその時間も2人の世界も好きだけど、それらを作り上げてくれる悠永が好きだと自覚し始めた。

悠永の側にいたい。

悠永の隣でずっと穏やかに生きていきたい。

喋らなくても分かり合えるなんて、私達はもしかしたら運命の赤い糸で結ばれているのかもしれない。

なんていう妄想を1人頭の中で楽しんでいた。