二度目の初恋

「んん......」


わたしは座り直して悠永の顔を見つめた。

悠永の瞼が微かに震えている。


「悠永...」


わたしがそうつぶやくと、それに返事をするように、悠永の瞼がゆっくりと開き、純黒の瞳が現れた。

そして......。


「由依......おはよ...」


わたしは悠永の声を聞いて鳥肌がわあっと立ち、生ぬるい感情の雫が頬を伝い、首筋を流れた。

悠永は骨折を免れた右腕でバランスを取って体を起こすと、わたしの顔に手を伸ばし、止めどなく溢れてくる涙を親指で掬ってくれた。


「悠永...」

「由依、もしかして...」


わたしは悠永に抱きついた。

ずっとずっとこうしたかった。

ずっとずっとわたしの心の核にあるその存在に触れたかった。

ずっとずっと会いたくて会いたくてたまらなかった。

悠永にわたしを感じてもらいたくて、わたしは大声で泣きながら、わたしの想いを伝えた。


「思い出したよ......。全部思い出したよ......。悠永......ごめんね。わたしのせいでいっぱいいっぱい傷付いたよね......。でも......でも......ありがとう。わたしを助けてくれて......ありがとう......」


悠永はわたしが何度も何度も同じことを繰り返し泣き叫んでも黙って聞いてくれた。

わたしを宥めるように、不器用に、優しく、そして温かく、その大きな手でわたしの頭を撫でてくれた。

そして、ぎこちなくも真っ直ぐわたしを見て微笑み、こう言った。


「由依、髪、似合ってるよ」