二度目の初恋

翌日。

わたしは午前中から病院にずっといた。

その間に悠永のおじさんとおばさんと弟がお見舞いにきた。

わたしは何度も頭を下げたが、悠永のご家族はわたしを責めることなく、わたしの言葉を受け入れてくれた。

そのお陰でわたしは悠永の側にいさせてもらうことが出来た。

悠永の寝顔を見るのはほとんど初めてだった。

真面目な悠永は授業中に寝るなんていう非常識なこともしなかったし、遠足のバスの中では皆眠っているのに、1人だけ目をギラギラさせてずっと窓の外を見ていた。

でも、たった1回、しかも数分間だけ、悠永が図書館で目を閉じた時があった。

夏休みの課題にあった読書感想文を書いている途中に突然鉛筆がカタンと音を立てた。

わたしは顔を上げて目の前に座っている悠永を見てみると、なんと悠永が眠っていたのだ。

こくりこくりと何回か首を動かしていたのだけど、わたしは面白すぎて吹き出してしまったのだ。


「あはははは!」


とんだ迷惑少女のわたしを黙らせたのも悠永だった。

目をパッと開けると、


「しっ!静かにしろ!」


と口の前で人差し指を立てた。

自分のせいでわたしが笑っていると知る由もない悠永。


「ふふっ。はるどんのせいだからねっ」

「はぁ?ゆいぼんが勝手に笑ってたんだろ?!」

「はるどんの寝顔がアホくさいから笑っちゃったんだよー」

「アホくさい...?!」


喧嘩が勃発しそうだったところに司書の方がやって来てわたしたちは裏の事務室に呼ばれ、厳重注意を受けた。

もう1度こんなことがあったら、図書館には1ヶ月間出入り禁止と言われた。

そうなると週末の遊び場が減るし、何より悠永がわたしのせいで図書館に来られなくなるのは可哀想だなって思ったからわたしはそれ以降図書館では何があっても小声で喋り、笑わないを徹底した。