二度目の初恋

父も去り、皆いなくなって2人きりになった。

わたしは丸椅子を持ってきて悠永の手を握った。

あの時、悠永はわたしが目覚めるまでずっとわたしの手を握ってくれていた。

それなのにわたしは悠永に、"だれですか?"と聞いてしまった。

1番大切な人なのにわたしは覚えていなくて、ついさっきまで忘れていた。

悠永はわたしが悠永を忘れていても変わらず不器用ながらも真っ直ぐ優しく接してくれた。

悠永と再会した雨の日も、わたしがクリスマスの日に泣いていた時も、さっきも、わたしを守ろうとしてわたしをしっかりその腕の中に閉じ込めてくれた。

お化け屋敷でも、あの寒い夜も、悠永はわたしの手を握ってくれた。

今わたしに出来ることは、悠永がわたしを忘れることなく目覚めるのを願って手を握ること。

強く強く力を込めて握り続けること。

そして、目覚めた時に笑うこと。