二度目の初恋

3人が出ていき、両親とわたしだけになった。


「由依、思い出したって本当?」

「本当だよ。今ならちゃんと分かるよ。お母さんがお気に入りで参観日に良く履いてきてたスカートも、お父さんがお母さんからプレゼントされていつも大事な会議の日に着けていく紺地に星の刺繍がされたネクタイも...。もちろん紀依が好きだったキャラクターもわたしと大喧嘩して庭に突き飛ばされたのも、全部覚えてるから」


わたしがそう言うと、母はわたしに抱きついき、その温かい手でわたしの頭を撫でてくれた。


「良かった...。本当に良かった...」

「これで由依もやっと人生をもう1度歩み出せるな」

「うん...」


お父さんは天井を見上げたり、鼻をすすったりして涙が流れるのをこらえていた。


「そうだ。中野先生にお電話しないと。傷が治ったら行きましょうね」

「そうだね。ずっとお世話になったからきちんと挨拶しないとね」


母は先生に電話をかけにいくといって病室を出ていった。