二度目の初恋

そして、事故の日、わたしは美容室に行った。

――ショートボブでお願いします。

使い慣れない単語を必死に並べてお望み通り、ショートボブにしてもらった。

ずっとロングヘアだったわたしは髪も軽くなったし、心も軽くなっただろうとそう単純に考えていた。

でも現実は違った。

公園に向かう道中で頭に浮かんできたのは悠永の顔だった。

バレンタインの日、友チョコなんて言わないでちゃんと本命だって言えば良かった。

言っていればこんなことにはならなかったかもしれない。

後悔の波が押し寄せて引き返す。

その繰り返しだった。

公園が見えて来たところでわたしは立ち止まって考えた。

どんな顔して会いにいこう。

髪型、可愛いね、なんて言われたら、この気持ちはどうなってしまうんだろう。

ゆらゆら揺れ動いていて定まらない心に何度も何度も同じことを問いかけていた。

その時だった。

わたしの数メートル前をころころとサッカーボールが転がっていった。

他のものとは違う、ちゃんと"はると"と名前が書かれたボールでわたしはその名前を見逃しはしなかった。

わたしは追いかけた。

悠永のボールを渡した時にありがとうって笑ってくれたらそれでいいんだ。

そう勝手に結論を出してわたしはボールに手を伸ばした。



「ゆいぼんっ!」


―――ププーーッ!


悠永の声......だ。

そこで意識が途切れた。