二度目の初恋

「ねえ」

「ん?何?」

「それ、誰にあげるの?」

「えっと...それは......」


わたしが肩にブラウニーの生地を流し込んでいる時に紀依が尋ねてきた。

その様子はまるでコイバナで盛り上がる年頃の少女そのものだった。


「あたしも教えたんだから、教えてよ」

「いや、でも......」


――ピーピーピー......。


タイミング良くオーブンレンジが鳴った。

ソファに腰かけて待っていた紀依がすかさず飛んでくる。

わたしがレンジの戸を開け、ミトンを装着した紀依が恐る恐るクッキーを取り出した。


「わあ!」

「すごい!良く出来てるよ!やったね、紀依」


わたしは手を胸の前に持っていき、手のひらを見せた。


「ミトン着けてるから出来ないよ」

「じゃあ、外したらしてくれるの?」

「しない」

「そっか...。ま、いいよ。いずれ、絶対してみせるから」

「そ」