二度目の初恋

翌朝、オレは早朝バイトに出て淡々と業務をこなし、伽耶に電話をかけてから今度は駅前のバイト先に行った。

何かしていれば忘れられる。

考えずに済む。

そう思っていたのだが、現実はそう甘くはなかった。

オレは注文を間違えて作ったり、皿を割ったり、レジに出たときはお釣りを返し忘れたりして散々なミスをおかし、その度に店長にはこっぴどく叱られ、パートさんたちのドンには睨み付けられた上に舌打ちをされた。

満身創痍だったが、バイトを休んでしまえばクビにされるのではないかという不安に襲われ、年末年始も結局毎日バイトに精を出した。

由依に会いたい。

せめて声だけでも聞きたい。

そう思っても、オレは由依に連絡を取ることは出来なかった。

オレが関われば由依や由依の家族をさらに苦しめることになる。

ならいっそ、このまま本当に忘れた方がいいのかもしれない。

そう思ったオレは冬休みが明けても学校には行かず、制服だけはちゃんと着ていつも通りの時間に家を出ていた。

おじさんやおばさんは気づいていないようだったが、優秀な弟はオレの変化を見逃しはしなかった。