二度目の初恋

オレが由依の家を訪れたのは事故から3日後に父とオレで謝罪しに行って以来だ。

由依のお母さんはショックからかヒステリックになっていてドアは乱暴に開けられたし、頭を下げた父は湯飲みに入っていたお茶をかけられた。

父はそれにも動じることなく、何度も何度も頭を下げ、オレもずっと床に頭をつけていたが許してはもらえなかった。


――あなた方の教育が悪いからこんなことになったんですよ!

――由依の傷も治せなければ記憶も治せない。それならあなたたちにはこれ以上用はありません!

――もう2度と由依に近付かないで!


そう、言われた。

それからオレは再会するまで1度も由依に会いに行かなかったし、そもそも居場所を教えてももらえなかった。

約7年ぶりの由依の家を前にし、オレは脈が上がった。

由依に握られていない方の手は小刻みに震え、インターホンを押そうとしてもなかなか定まらなかった。


「悠永くん、大丈夫?」

「あぁ。大丈夫だ」


精一杯はにかんでオレはその勢いでインターホンを押した。


――ピンポーン、ピンポーン...。


この状況でも来客を明るく出迎えるインターホンに調子を狂わされそうになったが、オレは冷静を保とうと必死に呼吸を繰り返した。

数十秒経った後、ドアがガチャリと音を立て中から光が漏れた。

オレは息を飲んだ。