二度目の初恋

由依はそれから暫く泣き続けた。

落ち着いた頃には公園の時計は11時を回っていた。

静けさと凍りつくような寒さにオレも由依も耐えきれなくなってきた。


「由依、ちょっと歩ける?24時間営業のファミレスが向こうにあるんだ。そこで話聞くよ」


由依はこっくりとうなずいた。

オレは由依を解放し、自分の上着を脱いで由依に着せた。

よほど寒かったのか全く抵抗しなかった。

暗くてはっきりと見えないけれど、由依の唇は真っ青になっているのかもしれない。

オレはよいしょっと華奢な由依を立たせた。


「由依、手はポケットに突っ込んでいいよ。そうしたら暖かいから」


オレがそういうと、由依はオレの手を握り、ジャケットの中に入れた。


「こうすればわたしも悠永くんも暖かいよ」

「ありがと...」


由依に握られた左手がぽかぽかとほの暖かい。

まるで雪に熱湯をかけるように、熱を持った場所からじわじわと回りに広がっていき、心まで温かくなった。

オレはこんな日でも、いや、こんな日だからこそ、由依に思い出話をした。