二度目の初恋

空を見上げれば、灰色の雲が何個も同じ方向に泳いでいる。

あの日もそうだった。

3月3日という女の子の節句なのに、分厚い雲で覆われていて午後からは季節外れの粉雪が舞っていた。

嫌な予感がして上半身から血の気がすっと引いた。

なにかを起こすため、何かを変えるために私はここにやって来た。

今さら引き返せない。

元よりそのつもりもない。

どんなことがあろうと私は私のしたいことをする。

自分の気持ちに従って生きる。

そう決めたのだから。

ぱっと顔を上げると事故現場方向の出入口からゆいぼんが近付いてきた。

ようやく、過去から脱出出来る...。

私は前を見据えてゆいぼんが来るのを待った。