喫茶店でお昼を食べて昔話を聞いた。
わたしと怜奈ちゃんと泰翔くんは幼稚園も小学校もずっと同じクラスで、グループ学習や掃除の班も同じになることが多かったみたい。
昔から一緒だから友達を越えて家族のような感覚でいつも虹色公園というところで遊んでいたという。
帰りにその公園に寄ってみると、そこでは小学生の男の子が6人いてサッカーをしていた。
「いやぁ懐かしいな。俺もここで良くサッカーしてた」
「アタシは遠くから見守ってたけどゆいぼんは男どもに混ざってやってたよね」
「そうなの?」
「そうだよ。ゆいぼんを守るのけっこう大変だったんだから。ドッヂボールとかタイミング悪く前に出てくるから俺がその前に出て犠牲になったりしたな」
「かなり必死だったよね、泰翔。でもいっつもあいつが先に...。って、こらー!誰よ、アタシにボール蹴ったの?!」
話の途中で怜奈ちゃん目掛けてボールが飛んできた。
怜奈ちゃんはボールを持って小学生の元へ走っていく。
まるで子供に戻ったかのように。
わたしの記憶にない怜奈ちゃんの姿が目の前に現れたような気がした。
「ゆいぼん」
「何?」
怜奈ちゃんと小学生軍団がはしゃぎ回っているのを眺めていると、泰翔くんが話しかけて来た。
「俺はゆいぼんが好きだった。いや...今もまだ好き、だ」
「えっと、その...」
また脳の回路が正常に働かなくなる。
なんだか少し胸が苦しい。
なんで、なんだろう。
好きって言われてるのに、
なんでドキドキもワクワクもしないのだろう。
「これからはずっと一緒にいて俺がゆいぼんを守る。だから...俺からもう離れるな。一生側にいてくれ。俺...超寂しがりやなんだよ」
少し言葉の意味が理解できなくて、理解しないほうが良いのかと思って答えを出さなかった。
だけど、怜奈ちゃんがこちらに向かって来るのが分かって咄嗟に返事をした。
「うん、分かった」
泰翔くんは歯を見せて思い切り笑った。
その笑顔を見てやっぱり寂しくなるのは怜奈ちゃんの影の正体に気づき始めたからかもしれない。
空が茜色に染まり始めたように、わたしの心も何色も混ざった複雑な色に染まり始めた。
わたしと怜奈ちゃんと泰翔くんは幼稚園も小学校もずっと同じクラスで、グループ学習や掃除の班も同じになることが多かったみたい。
昔から一緒だから友達を越えて家族のような感覚でいつも虹色公園というところで遊んでいたという。
帰りにその公園に寄ってみると、そこでは小学生の男の子が6人いてサッカーをしていた。
「いやぁ懐かしいな。俺もここで良くサッカーしてた」
「アタシは遠くから見守ってたけどゆいぼんは男どもに混ざってやってたよね」
「そうなの?」
「そうだよ。ゆいぼんを守るのけっこう大変だったんだから。ドッヂボールとかタイミング悪く前に出てくるから俺がその前に出て犠牲になったりしたな」
「かなり必死だったよね、泰翔。でもいっつもあいつが先に...。って、こらー!誰よ、アタシにボール蹴ったの?!」
話の途中で怜奈ちゃん目掛けてボールが飛んできた。
怜奈ちゃんはボールを持って小学生の元へ走っていく。
まるで子供に戻ったかのように。
わたしの記憶にない怜奈ちゃんの姿が目の前に現れたような気がした。
「ゆいぼん」
「何?」
怜奈ちゃんと小学生軍団がはしゃぎ回っているのを眺めていると、泰翔くんが話しかけて来た。
「俺はゆいぼんが好きだった。いや...今もまだ好き、だ」
「えっと、その...」
また脳の回路が正常に働かなくなる。
なんだか少し胸が苦しい。
なんで、なんだろう。
好きって言われてるのに、
なんでドキドキもワクワクもしないのだろう。
「これからはずっと一緒にいて俺がゆいぼんを守る。だから...俺からもう離れるな。一生側にいてくれ。俺...超寂しがりやなんだよ」
少し言葉の意味が理解できなくて、理解しないほうが良いのかと思って答えを出さなかった。
だけど、怜奈ちゃんがこちらに向かって来るのが分かって咄嗟に返事をした。
「うん、分かった」
泰翔くんは歯を見せて思い切り笑った。
その笑顔を見てやっぱり寂しくなるのは怜奈ちゃんの影の正体に気づき始めたからかもしれない。
空が茜色に染まり始めたように、わたしの心も何色も混ざった複雑な色に染まり始めた。



