二度目の初恋

おじさんと女性が交互にガラポンをすること10回目で初のビンゴが出た。

しかも趣味は競馬と競艇だという生粋のギャンブラーの男性だった。

子供にも夢を見せてあげろよと内心嘆いていると2、3人目のビンゴは小学生の男の子だった。

その後は大人も子供もバランス良くビンゴになり、次ビンゴが出れば10人目で終わりというところまで来た。


「伽耶はどんな感じ?」

「私はダブルリーチなんだ。でも悠永の方がすごいね。トリプルリーチじゃん」

「いや、でも2なんて出なさそう」

「確かに...。一桁の数字まだ出てないもんね」


オレのカードのど真ん中には2がある。

その数字がどれよりも好きだという人をオレは1人だけ知っていた。


「ではそろそろ終わりに差し掛かってきましたね~。では、最後になるかもしれない運命の1投、いきます!」


オレは息を飲んだ。

伽耶は隣で目を瞑って祈っている。

果たして最後の数字は...?


――カタン...。


赤い球が出てきた。

赤はたしか一桁代。

おじさんが球を持ち上げ、視界に入れ...叫んだ。


「運命の数字は......2番です!」