二度目の初恋

オレたちは輪投げコーナーに向かい、担当のおじさんに100円払ってわっかを5こずつもらった。


「まずは悠永、お手本見せてよ」

「うん、分かった。やってみるよ」

「頑張れ、悠永」


オレは指定されたラインに立ち、少し膝を折ってまず1つ投げてみた。

わっかはゆるく弧を描き、吸い寄せられるように最前列の真ん中に入った。


「すごいっ!さすが、悠永!」

「いやいや、そうでもないよ」

「別の場所にも入れてみて」

「あ、うん...」


自信はなかったが、オレは次々とわっかを投げた。

残る4投中3投が入った。


「悠永やったね!」

「ああ」


伽耶が両手のひらを顔の前に出して来たので、オレはその手に自分の手を重ねた。

パンッと快い音が辺りに鳴り響いた。

そして、ハイタッチよりも大きくて力強い拍手を見守っていたおじさんがくれた。


「よくやったね、少年。景品として駄菓子4つプレゼントだ。カノジョさんが終わったらじっくり選んでちょーだい」

「か、カノジョ...」


オレが動揺していると、伽耶がくすっと笑った。


「今日はそういうことにしてよ」


伽耶に耳打ちされ、頬が熱くなった。

直射日光を浴びているわけでもないのに、こんなに熱くなるとは...。

おじさんにもニヤニヤされてしまった。


「さてと、お嬢さん。今度は君の番だよ」

「はいっ。精一杯頑張ります!」


伽耶は張り切っていたが、そのせいで余計手に力が入り過ぎてうまく投げられず、1つも入れられずに終わってしまった。


「お嬢さん、残念だったねぇ。だけど、彼が入れてくれたから良かったね」

「はい...」


すっかり気落ちしてしまった伽耶にオレは無理に笑いかけた。


「伽耶、大丈夫だよ。それより駄菓子、選ぼう。ほら、伽耶が昔好きだったもち太郎あるよ」


オレがそう言うと、伽耶の目の色が変わった。

すかさず駄菓子の入っている段ボールを確認すると、真っ先にもち太郎を取った。


「私、これ今でも定期的に食べてるんだ」

「そうなんだ。相当好きなんだね」

「うん。だからこれ2こにする。あと2つは悠永の好きなやつでいいよ。確か悠永が好きだったのは...」