二度目の初恋

なんだかんだあり、気がつけば8月10日になっていた。

オレの誕生日で、伽耶に誘われたので神社の夏祭りに行くことになった。

夏祭りには昔から興味がなく、行ったことがあまりない。

アウトドアの弟が行きたいと両親にせがまない限りは家に籠ってクーラーをガンガンにつけておとなしく涼んでいるのが我が家の鉄則だった。

今年は弟も再来週に都心の有名な花火大会に友達を何人も誘って行くらしく、オレを誘って来なかったから安心した。

人混みは苦手だし、花火の音も嫌いな方だ。

だけど彼女は......。

いけない。

また思い出すところだった。

思い出は心に締まっておくと決めたのにもう破ろうとしていた。

無意識は怖い。

自覚がない言動で相手を知らぬ間に傷付けているのだから。

オレは浴衣を持っていないので、ポロシャツにチノパンというなんとも風情のない格好に着替え、スニーカーを履いて家を出た。

今日はコンビニバイトを4時から11時までにしてもらったが、いつもと違う生活リズムなのでなんだかだるいし、眠い。

ふわ~っと欠伸を1つし、駅までの長い道のりを歩いていく。

太陽がギラギラと光を放ち、アスファルトとオレの体を容赦なく焼きつける。

歩きだして数分で額から汗が吹き出てポロシャツは汗でびしょびしょになった。

持参した塩水で熱中症対策をばっちりしたところで再び歩きだした。

冷房ガンガンの電車に早く乗りたい。

なんなら、どこまでも乗っていきたい。

なんて思ってしまったのだった。