二度目の初恋

彼女がオレと同じ高校に通っていると確信したのは、それから1ヶ月後のことだった。

オレが教室に置き忘れたノートを彼女が見つけてくれ、職員室まで届けてくれたのだ。


「藍純くんと同じ2年生で今年からここに通うことになった佐倉由依ちゃんて子がね届けてくれたのよ。週2日しかこないからなかなか会えないかもしれないけど、会った時にはお礼しておいてね。ちなみに特徴は...」

「黒髪で色白で華奢」

「あら?もしかして話したことある?」

「いえ。来る時にすれ違って見たことない人が入ったなぁと思って覚えていたんです」

「あら、そうだったの。じゃあ見れば分かるわね。よろしくね」

「はい」


お礼はしたいけれど、どうやってするべきか迷う。

間接的に何かプレゼントする方法はあるだろうか。

時間はかかりそうだが、考えてみよう。

そんなことを思いながら、ノートをペラペラとめくると文字が書かれた最後のページに何やら書かれているのに気づいた。


――がんばって下さい。わたしもがんばります


高校2年生で平仮名ばかりのメッセージ。

だけど、この丸文字のようで丸文字でもない不思議な字には見覚えがあった。

書道の時はずるをして何度もはらいをしてどこもかすれていない完璧なフォルムを完成させたものの、先生に一発でバレ、膨れっ面になっていた彼女を思い出す。

そのくらい字は下手で、オレも癖が酷かったから一緒に居残りさせられ、選ばれないと分かっているのに七夕展の選考用の作品を書かされていた。

3年生では宇宙、4年生は銀河。

懐かしい...。

懐古していて知らぬ間に歩くのを止めていた。

本当にいつまでも忘れさせてはくれないんだな。

でも、ありがとう。

オレはノートを閉じ、今度こそレポートを進めるべく教室に向かった。