二度目の初恋

「わたしはあなたを知っています。名前は分からないけど心が覚えてるんです。教えてください。あなたは...わたしの...友達...ですか?」


彼女はそう言うと右手で目頭を押さえた。

あの日の事故の後遺症で時々頭が痛くなるのかもしれない。

オレは苦しそうな彼女をそっと抱き締めた。

彼女の体は雨に濡れて冷たくなっていた。

彼女から感じる鼓動、呼吸、匂い。

その全てが懐かしくていとおしくて、ずっとこのままがいいなんて思ってしまう。

もう2度とオレの腕からすり抜けていかないように、本当はもっとぎゅっと抱き締めたい。

だけど、そんなことをしていいなんて誰からも許可されない。

オレには重い重い罪があるから。

一生かけても償い切れないくらいの重罪があるんだ。

だから、ごめん。

オレは......嘘をつくしかないんだ。


「友達......じゃないよ」


彼女の意識はそこで途絶えた。