二度目の初恋

オレはゆいぼんの手を握りながら、ずっとゆいぼんが目覚める時を待った。

いつも待ってと言っても待ってくれないゆいぼんを待つことになるとは思ってもいなかった。

ゆいぼんが無事目覚めますように。

ゆいぼんとまた一緒に笑えますように。

ゆいぼんとまた話せますように。

ゆいぼんとまた喧嘩できますように。

オレはそう祈った。

ゆいぼんと果たせていない約束がまだあるんだ。

ここでゆいぼんがいなくなったらゆいぼんは約束を破ることになるんだ。

約束を破らないゆいぼんはそんなこと絶対にしない。

だからオレも約束は守る。

目が覚めたらゆいぼんの名前を呼ぶ。

ゆいぼんに花冠だって作る。

雑巾がけレースだって、鬼ごっこだってサッカーだって一輪車だって縄跳びだってなんだってする。

にんじんだってゆいぼんに怒られる前にちゃんと食べきる。

ゆいぼんがオレのノートを丸写ししたって自由研究をパクったってなにしたって怒らない。

だからお願いだ。

オレからゆいぼんを奪わないでくれ。

ゆいぼんがいなくなったらオレは...

オレは...どうしたらいいか分からなくなる。

ゆいぼんの笑顔にオレは導かれて生きてきたんだ。

今さらゆいぼんのいない未来なんて描けない。

ゆいぼん...お願いだ。

一生のお願いだ。

目覚めてくれ。

もう一度笑ってくれ。

泣いたって怒ったって喧嘩したっていい。

全部受け止めるから。

だから......ゆいぼん......


「起きてくれ......」


オレがそう呟いた、その時だった。