オレが1人手術室の前で右往左往しながら待っていると、遠くから聞き覚えのある足音が聞こえてきた。
「悠永っ!」
母の声だった。
母はオレを見つけると、痩せて力のない体を必死に動かしてオレの元へ駆け寄り、オレを力いっぱい抱き締めた。
砂と血ですっかり色が変わってしまったTシャツに母の涙が染み込んだ。
オレは泣きたくても泣けなかった。
泣いてはいけないと思っていた。
「母さん...ごめん。本当にごめん...。全部オレが悪いんだ...」
「その通りよ!」
オレは驚き、顔を上げて振り返ると、背後にはゆいぼんのお母さんが立っていた。
腕を組み、仁王立ちしてオレを刃のような鋭い目付きで睨んでいる。
「泰翔くんから話は聞いたわ。あなたがボールを飛ばさなければこんなことにはならなかったの!由依は痛い目に遭わなくて済んだのよ!」
オレは母さんの腕をそっと払うと、その場に膝をついて、頭を床につけた。
「すみませんっ!本当にすみませんっ!」
オレのかすれ声が静かな廊下に響き渡る。
喉が潰れて血が出るくらい大きな声でオレは何度も何度も何度も謝った。
「すみませんっ!...すみませんっ!...すみませんっ!すみませんっ!!」
「はぁ、はぁ...悠永くん、もういい。もういいよ」
オレの肩に温かな手のひらが乗った。
ゆいぼんと同じ香りがふわっとして鼻を刺激する。
泣きたくなるのを必死にこらえて荒い呼吸を繰り返す。
「あなた、遅いわよ!」
「依子、子供に何てことをさせているんだ。悠永くんが全面的に悪いわけじゃないのに、どうしてこんなに責めるんだ?!」
「この子が悪いに決まってるじゃない!この子が蹴ったボールを拾いに行ったから由依は...」
「良く確認しないで飛び出して行った由依も悪いんだ。お前はそんなことも分からないのか?」
「うるさいっ!あなたは黙ってて!」
「悠永っ!」
母の声だった。
母はオレを見つけると、痩せて力のない体を必死に動かしてオレの元へ駆け寄り、オレを力いっぱい抱き締めた。
砂と血ですっかり色が変わってしまったTシャツに母の涙が染み込んだ。
オレは泣きたくても泣けなかった。
泣いてはいけないと思っていた。
「母さん...ごめん。本当にごめん...。全部オレが悪いんだ...」
「その通りよ!」
オレは驚き、顔を上げて振り返ると、背後にはゆいぼんのお母さんが立っていた。
腕を組み、仁王立ちしてオレを刃のような鋭い目付きで睨んでいる。
「泰翔くんから話は聞いたわ。あなたがボールを飛ばさなければこんなことにはならなかったの!由依は痛い目に遭わなくて済んだのよ!」
オレは母さんの腕をそっと払うと、その場に膝をついて、頭を床につけた。
「すみませんっ!本当にすみませんっ!」
オレのかすれ声が静かな廊下に響き渡る。
喉が潰れて血が出るくらい大きな声でオレは何度も何度も何度も謝った。
「すみませんっ!...すみませんっ!...すみませんっ!すみませんっ!!」
「はぁ、はぁ...悠永くん、もういい。もういいよ」
オレの肩に温かな手のひらが乗った。
ゆいぼんと同じ香りがふわっとして鼻を刺激する。
泣きたくなるのを必死にこらえて荒い呼吸を繰り返す。
「あなた、遅いわよ!」
「依子、子供に何てことをさせているんだ。悠永くんが全面的に悪いわけじゃないのに、どうしてこんなに責めるんだ?!」
「この子が悪いに決まってるじゃない!この子が蹴ったボールを拾いに行ったから由依は...」
「良く確認しないで飛び出して行った由依も悪いんだ。お前はそんなことも分からないのか?」
「うるさいっ!あなたは黙ってて!」



