二度目の初恋

「あれ？もしかして...ゆいぼん？！」


歩きだして2、3分も経っていないのに、突然すれ違った女子高生に話しかけられた。

わたしは振り返ってその人の顔を見つめた。

なんだろう、この気持ち...。

ほのかに心が温かくなり、少しだけ涙腺を刺激された。

懐かしい...ってことなのかな。

その人はずんずんと近づいてきてわたしの目の前に立ちはだかり、そして...抱きついた。


「ゆいぼんっ！ずっと待ってたよ！良かった、また会えて！生きてて良かった！」


わたしにしがみつき、人目を憚らずにわんわん泣く女子高生。

ずっと待ってた...。

生きてて良かった...。

わたしの頭を反芻する言葉はわたしが欲しかった言葉で、その言葉とこの人の涙に嘘はないと思った。

わたしもたぶんきっとずっと会いたかったんだ、この人に。

探していたわたしの友達なんだ。

わたしは彼女が落ち着くまで彼女の背中をさすりながらその温度とその匂いを全身で感じ取っていた。

そして、忘れないように何度も何度も脳内に刺激を送って涙で消えない特殊なペンで記録していた。