俺は毎朝同じ事が起きているというのに一向
に慣れない出来事がある。
それはお嬢が毎日俺のベットで寝ていることだ。
朝起きたら隣で寝ているならまだしも俺の足にしがみついていたりする時にはどうしたものかと思う。
俺はこれでも16歳の男子高校生である。
つまり思春期真っ只中なのだ。
「起きろ。この馬鹿お嬢。」
俺は思い切り隣で寝ているお嬢の頭を叩く。
「ぐへぇ。痛いのです。吉良。」
「毎朝人のベットに入ってくるのが悪いんだろうが。」
まじでこいつはなんで毎日人のベットの中に入ってくるんだ。
「今何で私が毎日、吉良のベットで寝ているかと考えましたね。」
さすが5年も一緒にいるだけはある。正解だ。
「お答えしましょう!それはですね~…やっぱりやめます。」
「何だよ言えよ。馬鹿お嬢。」
「お口が悪いですよ吉良。そんな風に育てた覚えはありませんけどね。」
育てられた覚えはないと言いたいが少しはある。
俺は11歳の時にお嬢に拾われた。
それまでの記憶は一切ないし別に思い出したいとも思わない。
「だって俺にはお嬢がいるから。」
「何か言いましたか?吉良?」
「なっ何も言ってねーよ。ほら学校行くぞ。」
そう俺にはお嬢がいる。けれどそれは今日までなのかもしれない。
学校に着いたらお嬢は会社の社長令嬢としてちゃんとしたお嬢様として振る舞わなくてはならない。
学校は屈指の名門校に通っていて成績はダントツでトップ。
2年生ながらも生徒会長を務めていて生徒からも慕われている。
おまけにあだ名は高嶺の花と名前の恵にちなんで『高嶺の恵』。
ダサすぎでお嬢にも同情をする。
「皆様!恵様が登校して来られましたわ。今日もお美しい…。」
「おはようございます皆様。今日もいい天気ですわね。」
本当にこいつは家と学校での差がすごい。
「恵様、先程職員室で耳にしたのですが私達のクラスに今日転校生が来るらしいですわ。」
転校生…お嬢のクラスに…
「なぁ、その転校生って男か?」
「はっはい。せ、先生は確か男の方だと仰っておりましたわ。」
「そうか。助かった。」
ちなみに俺はこの学校の生徒には怖いと恐れられている。
「おぃ、恵。その転校生とやらには近づくなよ。」
「何です?嫉妬ですか?吉良も可愛いですわね。」
「お前には婚約者がいる。変な虫が着くと俺がお前の父親に叱られるんだ。」
「そんなことぐらいわかってますわ。」
少しムッと唇を尖らせるお嬢。
そんな姿さえ愛おしく感じる。
お嬢は…お嬢だけは
これまで婚約者がいるからと守ってきたお嬢の事をどこの誰かもわからない奴に渡したくはない。
本当のことをいえば誰にも渡したくない。
に慣れない出来事がある。
それはお嬢が毎日俺のベットで寝ていることだ。
朝起きたら隣で寝ているならまだしも俺の足にしがみついていたりする時にはどうしたものかと思う。
俺はこれでも16歳の男子高校生である。
つまり思春期真っ只中なのだ。
「起きろ。この馬鹿お嬢。」
俺は思い切り隣で寝ているお嬢の頭を叩く。
「ぐへぇ。痛いのです。吉良。」
「毎朝人のベットに入ってくるのが悪いんだろうが。」
まじでこいつはなんで毎日人のベットの中に入ってくるんだ。
「今何で私が毎日、吉良のベットで寝ているかと考えましたね。」
さすが5年も一緒にいるだけはある。正解だ。
「お答えしましょう!それはですね~…やっぱりやめます。」
「何だよ言えよ。馬鹿お嬢。」
「お口が悪いですよ吉良。そんな風に育てた覚えはありませんけどね。」
育てられた覚えはないと言いたいが少しはある。
俺は11歳の時にお嬢に拾われた。
それまでの記憶は一切ないし別に思い出したいとも思わない。
「だって俺にはお嬢がいるから。」
「何か言いましたか?吉良?」
「なっ何も言ってねーよ。ほら学校行くぞ。」
そう俺にはお嬢がいる。けれどそれは今日までなのかもしれない。
学校に着いたらお嬢は会社の社長令嬢としてちゃんとしたお嬢様として振る舞わなくてはならない。
学校は屈指の名門校に通っていて成績はダントツでトップ。
2年生ながらも生徒会長を務めていて生徒からも慕われている。
おまけにあだ名は高嶺の花と名前の恵にちなんで『高嶺の恵』。
ダサすぎでお嬢にも同情をする。
「皆様!恵様が登校して来られましたわ。今日もお美しい…。」
「おはようございます皆様。今日もいい天気ですわね。」
本当にこいつは家と学校での差がすごい。
「恵様、先程職員室で耳にしたのですが私達のクラスに今日転校生が来るらしいですわ。」
転校生…お嬢のクラスに…
「なぁ、その転校生って男か?」
「はっはい。せ、先生は確か男の方だと仰っておりましたわ。」
「そうか。助かった。」
ちなみに俺はこの学校の生徒には怖いと恐れられている。
「おぃ、恵。その転校生とやらには近づくなよ。」
「何です?嫉妬ですか?吉良も可愛いですわね。」
「お前には婚約者がいる。変な虫が着くと俺がお前の父親に叱られるんだ。」
「そんなことぐらいわかってますわ。」
少しムッと唇を尖らせるお嬢。
そんな姿さえ愛おしく感じる。
お嬢は…お嬢だけは
これまで婚約者がいるからと守ってきたお嬢の事をどこの誰かもわからない奴に渡したくはない。
本当のことをいえば誰にも渡したくない。