それから先輩の家まで送るまでの間、いつも通り話してくれる先輩だけど
あえて素っ気なく返事をする。
「でね、その時先生に指されちゃって。」
「そうなんですか。」
「…うん、」
いつもなら先輩の楽しそうに話す笑顔を見ながら会話を広げる。
けれど、進行方向を向いて、まるで興味がないと言うような態度を見せる。
先輩は苦しそうな表情を見せるだけで何も言ってこない。
「澪緒くん、また明日ね」
「はい。」
とうとう最後まで先輩は俺に欲を見せなかった。
先輩、お願い。
俺を求めて。
そしたら、先輩が望むこと全部してあげるから。

