君色パレット





誰かいるのかと思ったけど、
話し声は特に聞こえない。


だから、
すぐに戻ってくると思ってたけど、
なかなか戻って来ないので少し様子を見に行くことにした。



『澪ー!
誰と話してんの?』




ガラッ
『れ、玲!なんで!?』



そこには、玲がいた。

予想外の展開に驚きを隠せない。


澪が玲と話していたか気になったけど、

今のこの状況はさすがにまずい…


確実に勘違いしているだろう。



『…渚』




案の定、
玲は俺を軽蔑するような目で見ていた。



玲にそんな目で見られるなんて
どん底に落とされた気分だ。



だけど意外に、
俺は冷静に自分の思ってることが伝えられた。




『玲聞いて、これには訳があるんだ。

俺を信じて。』



真剣に心の底から伝えた。


だから、
玲にもちゃんと伝わってると思ってた。




でも、

輝きを失った玲の目には

俺の真剣な目さえも

映ってなかった…