君色パレット





『そ、それより玲、用があって教室に戻って来たんじゃないの?』



焦って上手く言えない。

でも早くしないと、澪と鉢合わせてしまう。



『あー!!そーだった!忘れてた!』



玲はそれから少しなにか考えていた。



『じゃあ、あたしもう行くね!』



よ、良かったぁ。
まじ焦ったわ~

背中は冷や汗でびっしょりになっていた。



『おう!
それと帰りはあっちの階段から降りろよ。』



『?なんで?』


そりゃ~、不思議に思うよな…

でも言えないんだ。

玲、ごめんな。



『なんでも。

絶対あっちの階段から降りろよ。』



『わかったぁ。』



ふぅ~、
玲が昔と変わらず単純で良かった。


そして、昔と変わってないところもあって嬉しかった。