「あ、ごめんごめん。でも、やっぱ佑羽可愛すぎる…。佑羽に好かれる男子が羨ましいよ…」
「だ〜れが羨ましいって?」
「……げっ!まっつん!?」
「い〜ぬ〜い〜?なーにがげっ、だ!岩永に抱きつくのはいいが、それは休憩時間にしろっていつも言ってるだろ!もうとっくに鐘は鳴ってるぞ!」
「え、マジで?」
「……はあ。ま、いい。次はないからなっ」
先ほどまでの鬼の形相を少し緩めてふんっと鼻息を飛ばしながら教卓へと戻っていったあたし達一年二組の担任のまっつん。
「あ、危なかった〜…」
そう言って胸を撫で下ろす花菜ちゃんに何人かのクラスメイトはこちらを振り返ってクスクス笑っている。
……これもそろそろ見慣れた光景だなあ。
まっつんはさっきのを見た通り怒ると怖い。
ガタイがよく、顔も元々目つきが鋭いから余計に。



