しかも、自然にウインクまで決めてくるからちょっぴり心臓に悪い。


「あたしだって、もし男の子なら絶対に花菜ちゃんと付き合ってるよ…」


だって、こんなに可愛くて優しい子、なかなかいないもの。




───たまに。

本当にたまに思うの。


こんなこと、考えるだけで無意味だってわかってる。


けど、でも、もし、もしもあたしが花菜ちゃんみたいに可愛くて優しかったら“きみ”も───




「佑羽ー!!天使っ!!尊いっ!!!」




「…わっ!!ちょ、花菜ちゃん!?」


いきなり抱きついてきた花菜ちゃんに、あたしの可愛げのない思考は遮られた。


だけど、その代わり…、


「花菜ちゃん、苦しい、です……」


しかも、天使とか尊いとか毎日に最低三回は言われる言葉だけど、あたしは未だによくわからない。


だいたい、天使とか尊いっていうのは花菜ちゃんみたいな子に使う言葉だし。