出席番号が前後で、まだ一度も席替えをしていないから、当然席も前後。
「やっぱり断ったんだ…。花菜ちゃん、本当に誰とも付き合う気ないの…?」
まだ高校に入学して一ヶ月ちょっと。
だけど、その間に花菜ちゃんはもうかなりの人数に告白されてはその度に辛辣な言葉で振っている大人っぽさと幼さの両方を兼ね備えている美少女だ。
なんでもお兄さん二人が女の子に対してだらしなかったらしくて、その影響であんまり男の子をよく思っていないみたい。
女の子、特にあたしに対してはすごく優しいんだけどね…
「男子と付き合うとか、絶対無理。っていうか告白してくる男子の半分は見たこともなければ名前も知らないし。…あ、佑羽に告白されたらもちろん即付き合うよ」
迷いもなく誰とも付き合わない宣言をしたかと思えば、いつものあたしに対する花菜ちゃんのノリ。



