それを花菜ちゃんに話すと、今度は感心したように頷いた。
「すごいね。蘭先輩も澄果先輩もそこまで考えてるなんて」
「うん、あの二人は常に頭使って生きてるから。…あたしはいつもそれに助けられていたしね…」
ふと“あの頃”のことを思い出して体操服を畳む手が止まった。
友達が花菜ちゃんしかいないということ以外はもう既にほとんど違和感もなく、高校生活に馴染めているけれど、まだあの頃から二年も経っていないんだよね…
大分癒えたはずの心の傷。
それでも時々こうやって思い出しては苦しくなる。
あたしはまだまだ弱い。
……でも、あたしは一人じゃないから。
蘭ちゃんや澄果ちゃんだけじゃなくてこうやってそばにいてくれる花菜ちゃんもいる。
たとえ、話せないことがあっても花菜ちゃんはあたしの大切な友達。
───大好きな、友達。



