世界で一番優しいきみの嘘





えーっと、これはどういう状況なのでしょう?




ただいまあたし佑羽と花菜ちゃんはよく知らない上級生と思われる男の先輩達に囲まれています…


花菜ちゃんがあたしを守るようにして先輩達と対峙してくれているのですが…、会話…いや口論と言った方が正しいのでしょうか?


花菜ちゃんも先輩達も半分以上何を言っているのか全く意味がわかりません…




何故こんなことになっているのかというと




───遡ること十分前




あたし達は四時間目の体育の授業を終え、更衣室で着替えていた。





「ねぇ花菜ちゃん。花菜ちゃんってたまに購買でパンを買ったりしてるよね?」


「あー、うちのお母さん、たまに寝坊して忘れるからね。そういう時は購買でパンとか買ってるけど…それがどうかしたの?」


「えっとね、今日はお弁当持ってきてないの。学校の購買で何か買おうと思って」