「え、そんなこと言われたのっ?蘭先輩と澄果先輩に?」
「う、うん」
目をパチパチさせて驚いている花菜ちゃんにあたしも頷きながらあははと笑ってみせる。
「なんか……意外」
「意外?」
「うん。まあ蘭先輩はなんとなくわかるんだけど、澄果先輩ってそういう方面にはちょっと疎いんだろうなって思ってたし」
ああ……なるほど。
そういえば前にも蘭ちゃんがそんなようなことを言ってた。
一つ訂正しておくと、澄果ちゃんは人の感情の変化には敏感だし、たくさんの感情に埋もれて身動きが取れなくなっている人の本当の気持ちを見抜く力だって持っている。
そして、あたしはその澄果ちゃんの力に幾度となく助けられ、救われてきた。
ただ、これまた同じような力を持っている蘭ちゃんとは一つだけ決定的に違うところがある。



