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「あ、おはよう佑羽。昨日、大丈夫だった!?」
次の日の朝。
あたしが教室に入るなり、先に登校していた花菜ちゃんが駆け寄ってきて薮から棒にそんなことを言ってきた。
主語がないから一瞬なんのことかとわからなかったけれど、昨日の出来事を思い出して花菜ちゃんが何を言いたいのかすぐにわかり、奥村くんに呼び出されてからの一部始終を全部話した。
……最後、あたしが皐月くんのことを思い出して慌てて奥村くんの元から立ち去ったことは省いて。
すると、花菜ちゃんはやっぱりかといった表情をした後に盛大なため息をついて「とりあえず良かったよ、相手が真面な男で」と言うものだから、内心そんな大袈裟なと思ったけれど、口に出すとまた色々と言われそうなので、口には出さず心の中だけで留めておいた。
そして話題は変わり、あたしは昨日の帰り道の蘭ちゃんと澄果ちゃんとの会話を花菜ちゃんに話して聞かせていた。



