すでに嫌われている手前、きみはあたしの好きな人が誰であっても興味なんてないのかもしれない。
いや、きっとそうだ。
それでも、やっぱりきみだけには勘違いされたくないと思うあたしは、相当重症だっ……。
「っ、敵わないなあっ………」
「……えっ?」
「だって、今岩永さん、好きな人のこと考えてたでしょ…?」
右手でクシャクシャと髪を触りながら確かにそう言った奥村くんに、あたしは一瞬目を見開く。
いつもあたしと一緒にいて、あたしの告白現場に居合わせてしまった花菜ちゃんならまだしも、ほとんど初対面の奥村くんにこうも簡単に見抜かれてしまうものなのか。
「…どうして、そんなこと……」
それともただ単にあたしがわかりやすいだけ…?
至って単純で素朴な疑問が口からぽろりとこぼれおちる。



