思い出すだけで苦しい。
ここは学校だから絶対に泣けないし泣かないけれど、あたしの心はきみのあの言葉を聞いた時からきっとずっと泣いている。
「っ、佑羽……」
ポツリと花菜ちゃんの声で呟かれたあたしの名前に、あたしはハッとする。
……やってしまった。
まただ、これで何回目だろう。
あたしは無意識のうちに空に向けていた目線を花菜ちゃんへと移すと、あたしの予想通り花菜ちゃんはなんとも言えない悲しそうな表情であたしの方を見ていた。
……花菜ちゃんがこんな表情をするのはあたしのせい。
自分では全くそんなつもりはないのだけど、花菜ちゃん曰く、佑羽は空見て考えごとをするときはどこか苦しそうで悲しそうで、でも見たこともないくらい優しい顔もする、と。



