だって正直に言えば、最初は花菜ちゃんと仲良くするのも躊躇ってしまったほどだもの。




“きみ”のそばにいたいっていう気持ちはたとえまた“あんなこと”があったとしても絶対に変わらないし、これから先変えるつもりもない。


だからこそきみを追ってこの高校に入ったわけだけど。




……でも、だからと言ってあたしは心が鉄のように強くできているわけじゃない。


中学生の頃もこんなのに負けたらダメだと強がっていたけれど、後から振り返ればきっと思った以上に心はボロボロだったんだと思う。


前までは今の花菜ちゃんみたいに明るくてよく笑っていたあたしも、自分に自信がなくなって引っ込み思案で、すっかり人付き合いが苦手になってしまった。


花菜ちゃんと仲良くなれたのは、入学式の日に花菜ちゃんの方から声をかけてくれたから。