君の好きな人が私だったらいいのにな。

氷室は私の頭をぽんと撫でて

あんまり抱えこむなよ、と呟いた。


「…ん。氷室はやさしーね、」

『別に、誰にだってするわけじゃないよ。』

「えっ、?」

『杉野のことは、大切に思ってるから。』


あまりにまっすぐ私を見てそんなこと言うから

私はびっくりして、一瞬その場に立ち止まってしまった。


『杉野?』

「あっ、ごめん、」


私は3歩先にいる杉野の背中を

慌てて追いかけた。