君の好きな人が私だったらいいのにな。

そんなことはいいから早く杉野のところに行ってあげなよ、と俺が言うと

忘れてた、と言わんばかりに侑は慌てて体を翻した。


『柚稀!』

『ん?』

『ありがとな!』


侑はそれだけ言うと

俺の返事も待たずに駆けだした。


『………慌ただしいやつ笑』


鈍くて、肝心なところが疎くて

でも誠実でまっすぐ

普段どれだけ女子に囲まれてる色男でも

杉野がずっと侑を想っている気持ちが

この時俺は少しわかったような気がした。


-柚稀side end-