「悠里、おはよう〜!」

「あ、美世おはー」

またいつも通りの一日が始まる。
私は至って平凡な高校二年生女子。
特に目立った容姿でも性格でもなく陽キャでも陰キャでもない。
私は高校に入学してからずっとこうだ。
でも、私には少し人と違うポイントがある。

そう、私は女子にモテる。

中3以来、恋愛とは疎遠だけど女子にはモテ"続けて"いるのだ。

だから恋愛なんかしてないで、女子に囲まれながら私はこれからも平凡にやっていくつもりだ。

「ご飯食べよ〜」

今日もみんなでお弁当ー。
あーなんて平穏な日々なんだろう。

「そーいえばさ、みんなスプリングってアプリ知ってる?」
「花また変なアプリやってんの?(笑)えー知らん知らん。」
「いやそれがさ、私のお姉ちゃんがこのアプリでできた男友達と付き合うかもって言ってくっから(笑)」
「マジ?そういうのあんだまじで。」
「まあ正直誰かもわからんし、付き合うってのはね、素直に『頑張って!』とは言われへんよな。」
「どーなんやろな。まあ匿名ならってとこもあるけどな。」
「まあな……………………あ、待って次生物じゃね?移動教室じゃんだるー」

なんか気になる。
ちょいやってみよっかな。
そんな感覚で生物室に行く途中でアプリストアで『スプリング』とやらを検索し、ネットショッピングのごとくポチってしまったのが始まり。