授業が終わる頃には少しずつ雨が止んできた。
まるでわたしの願いが通じたようだ。
教室を見渡すと、誰も外の様子を気にしている人はいなかった。
テストが近いからか、みんな黒板の文字と先生の言葉に注意している。
ちらほらと寝ている人もいるけれど。
気を取り直して、わたしも授業に戻り、優等生になる。
「あと連絡することはあるか?」
誰も挙手する様子もなく、みんな早く帰りたそうにしている。
勉強をしたいのだ。
「じゃあないなら終わるぞ、起立。礼」
声を合図にわたしはまたクラスでいちばん早く、教室を出た。
……なんだか、心がもやっとする。
傘をくるくると回して飛び散った雫が綺麗でも、わたしは落ち着かない。
わたしは一体何に不満を抱いているのか。
何が足りないのだろう。


