「ちづ、今日はサン休みなの?」
「あ、うん。
……なんか、具合が悪いみたい」
「そうなんだ」
「だから朝から元気なかったんだね」
「ええっ」
「あはは、分かりやすいよ」
「そんなに?」
確かに授業中もチラチラ隣を見てしまった。
でも誰も見ていないだろうと思って割と堂々と見ていた。
まさか見られていたとは。
眼鏡の縁をいじるとますます笑われてしまった。
「ちづ、結構寂しがりなんじゃない?」
「そうかな」
「うん、あたしもそう思う。
そういう一面もどんどんサンに見せた方がいいと思うよ」
「サン、ちづにぞっこんだよー」
「それはないよ……」
「はいはい、もう2人はお幸せにやってなさい」
「……」
だめだ。恥ずかしすぎる。
頭の中で考えているだけなら全然顔に出ないのに、人に言われると存在感が増した気がして恥ずかしくなってしまう。


