「藤野。毎回悪いんだが……」
「……はい」
「まあ、夏川が休みなんだよ。
最近は毎日来ていたんだけどな。
このまま休まないかと思ったんだがちょっと心配だなあ」
頭をかきながら出席簿に目を落としている。
出席日数の心配をしているのだろう。
「で、また事務連絡をしてほしいんだ。
頼んでいいか?」
「はい」
「済まないな、毎回」
「いえ、大丈夫です」
「あともし聞けたらでいいんだが……」
「はい」
「休みの理由、聞いてくれないか?」
「……」
「俺が聞いてもなかなか話してくれないからな。
クラスメイトの方が話しやすいんじゃないかと思ってなんだが……」
「……できるだけ、やってみます」
「ありがとうな」
先生は手を振り、逃げるように廊下を後にした。
……わたしだって、知りたい。
燦が休む理由なんて聞けるならとっくに聞いている。


