青は奇跡






先生が教室を出て行った瞬間、わたしは教室を出た。




もちろんテストはもうすぐだから勉強しないといけないのは本当だ。




だけど、すぐに家に帰りたかった。




テスト前は図書館より家で勉強する方が集中出来る。




少しずつ秋が近付いて、3年生の教室のあたりの空気がピリピリしてきている。


図書館も3年生がいると邪魔しちゃいけないという気がしてあまり長居する気になれない。


必要最低限の本だけを借りて出て行くのが精一杯だ。




空を見上げると、カラリと晴れ渡り、まさに秋晴れだった。




夏のあの埃を含んだようなまとわりつく空気とは違う、すんなりと体に入る空気が心地良い。




最近は夜は涼しくなってきて夏が去りつつある。




そろそろ十五夜だったかな。


月見団子を作るのもいいかもしれない。




急に思いついた提案に歩きながら笑いが零れた。