「ちーづ!おはよう!」
「おはよー」
「河合さん、今野さん。おはよう」
「昨日楽しかった。
ありがとうね、付き合ってくれて」
「わたしも楽しかったよ」
「あ、でもうちらサンからちづ取っちゃったか」
「そ、そんなことないよ!」
「あー、赤い!」
指摘されて慌てて頬に手をやると、今野さんに笑われた。
最近は、休日に2人と遊ぶことも増えてすごく楽しい。
だけど、わたしなんかと遊んで楽しいなんて言ってくれるとは。
しかも、名前で呼んでくれる。
「ねえ、ちづはうちらのこと名前で呼ばないの?
ミホ、すっごい寂しがっているんだよ」
「アヤ余計なこと言うな」
「だから名前で呼んでよ、うちらのこと」
「ええと……、ミホちゃんと、アヤちゃん、でいいかな?」
「あーもうちづっていい子ー!」
うわっ!
アヤちゃんが抱きついてきた。
それから、ミホちゃんが笑ってわたしの頭をくしゃくしゃとした。
校則通りの長さの黒い前髪が後ろに持っていかれる。


