昼ごはんを食べていると、前の方から目線を感じた。
……河合さんと、今野さん?
手を振ってきたから控えめに笑い返した。
だけど2人はまだこちらから目線をずらそうとしない。
……ん?左?
左側を見ると、燦がぱっと外を見た。
……なんだろう。
何か付いていたのかな。
髪の毛や制服を触って確認しても何も付いていない。
2人はまだ笑っていて、わたしはよくわからず前の授業の復習を始めた。
今日は何も用事がないから真っ直ぐ帰ろうと鞄を持った時、肩を叩かれた。
「……は……か?」
何を言っているのかよく分からず、首を傾げると、納得したように目を大きく開けた。
それからわたしの背丈に合わせてかがみ、耳元で話した。
「今日は予定ないのか?」
1回、縦に首を振る。
「じゃあ屋上で」
もう1度、首を縦に振る。


