「サンにも人間の心があったか。

よかったよ、安心した」


「なんで付き合うことになったの?」


「つ、付き合う!」


「あはは、藤野さん真っ赤。

めちゃくちゃ可愛いよ。

これは守ってあげたくなるわー」





それからわたしは、勉強を教えたこと、夏祭りで会ったこと、自習の時に学校で会ったことを話した。




具体的なことまでは恥ずかしくて話せなかったけれど、2人が茶化すことなく聞いてくれたから最後まで話せた。




こうやって振り返ってみると、わたし達の接点は少ない。


なんでこれしか接触がなかったのに付き合うことになったのかよく分からない。





「そっか、藤野さん勉強頑張っているもんね。

サンも頼りたくなったんだな」


「漫画みたいだね」


「……そうなんだ」


「でもあいつ勉強全然出来ないわけじゃないよね?ミホ」


「あ、そういえばそうだ。

補習にかかるほどの成績取ったなんて聞いたことないし。

……藤野さんと接点を持ちたくて頼んだのかな」