……変だって思われないかな。
だけど、待ち合わせ時間をすぎても、燦は来ない。
大丈夫かな。
まだ寝ているのかな。
連絡しよう、と思いスマホを持った時、メッセージが入った。
『ごめん、今日行けなくなった』
……嘘でしょ。
具合が悪くなったのかな。
予定を押し通すことなど出来ない。
湧き上がってくる疑問と悲しさを隠すように『分かった、お大事に』と打って送信した。
こういう時、どうしたらいいのか分からないわたしはただ駅の中に佇むしかなかった。
何度見返しても、今日の予定はなくなったという事実しかメッセージは伝えてくれない。
……わたし、楽しみにしていたんだ。
洋服選びもヘアセットもここまでの道も、雨も、面倒くさがっているふりをしていただけで、本当はすごく楽しみだった。
だけど、楽しみにしているということを燦やお母さんに知られたら照れくさいからいつも通りを演じていたのだ。


