そのあとも色々なお店を見て回った。
ホットドッグやホットチョコレートを飲みながら歩いているだけでも十分楽しかった。
特にクリスマスツリーは首を思いっきり上に向けないといちばん上にある金色の星が見えないくらいの大きさだった。
燦が勢いよく上を向いて首を痛めかけたことに思わず笑ってしまいそうになったのはわたしだけの秘密だ。
雑貨屋さんが多く、雪だるまやサンタの陶器でできたオブジェはひとつひとつ表情が異なっていて可愛らしかった。
ある雑貨屋さんに入った時、とても綺麗なブローチを見つけた。
オレンジや青が溶け合った不思議な色合いだったけれど、直感的に燦に似合うと思い、すぐに購入した。
帰りの電車で渡すつもりだ。
「美味しかったな」
「うん、いつも食べるケーキとは全然違った。
やっぱり手作りはいいね」
休憩がてら入ったケーキ屋さんは味が良くてクリスマスじゃなくてもまた来たいと思うくらいの美味しさだった。


