青は奇跡






「なんか、お腹すいたな」


「そうだね」


「結構食べられるところはあるみたいだけど、中に入るか?

それとも食べ歩きにするか?」





わたしがいまいち決めきれないのを分かっているからか、選択肢を出してくれる。




中に入るのも良いけれど、このマーケットの素敵な空気をもっと肌で感じたい。





「食べ歩きがいいな」


「じゃ、食べたいものがあったらその都度買って食べような」


「うん」





外国にいるかのような風景を楽しみながら歩いていると、美味しそうなドーナツ屋さんを見つけた。


宝石のようにキラキラしていてカラフルなデザインのものばかりで思わず見とれてしまう。





「燦、あのドーナツ屋さんのドーナツが食べたい」


「ん、行くか」


「いらっしゃいませー。

お好きなものをお選びください」


「じゃ、俺はこれで」


「わ、わたしはこれで……」





メニュー名は下に書かれていたけれど、なんだか長くてよくわからず、指で指してしまった。