「千鶴」
「……あ、燦」
「着けてよ、これ」
「……え」
「これはもうプレゼント。いいな!」
「は、はい!」
あまりに焦りすぎて運動部並の大声で返事をしてしまった。
それを見た燦は耐えきれずに吹き出すという有様だ。
「本当に、ありがとう。
大事にする」
既に付いていたタグは外されている。
……わたしが放心状態の時に頼んでくれたのかもしれない。
アクセサリーの扱いにあまり慣れていないからか、上手く出来ない。
サッと着けてまたいろいろなところを見たいのに、どうしてわたしはこんなにどんくさいのか。
もたもたしていると、後ろに回していた手からネックレスの重みが消えた。
「動くな、今着けてやるから」
「……ありがとう」
「……出来た」
「ごめんね、わたし不器用で……。
でもありがとう」
「ん、行くぞ」
自然に、手を取られた。
わたしも自然に燦の手に自分の手を重ねていた。


