飾りを見ているだけでも十分楽しいのだけれど、商品のひとつひとつがとても繊細でお店全体が芸術作品のようだった。
キラキラした硝子のネックレスはどれだけ見ていても飽きない。
同じデザインだけれども全て色が違うからつい揃えてしまいたくなりそうだ。
「それ欲しいの?」
「……えっ。あ、欲しいっていうか綺麗だったから……」
「これなんか似合うと思うけど」
そう言って燦はわたしが見ていたもののうちひとつを取って後ろから首元に当てた。
エメラルドグリーンや海のような青が混ざった薄い色合いが硝子の儚さそのものだった。
「ちょっ……、壊したら大変だよ」
「千鶴動くな」
「……うん」
「やっぱこれがいちばんだな。
あ、すみません、これください。
軽くラッピングしてくれませんか」
「え!」
わたしが驚いている側で店員さんはにっこりと笑顔を浮かべてレジに向かっていった。


