次の演奏は花山南高校吹奏楽部ですっ!〜部活大好き彼氏が甘すぎる〜

あー…。

「ほんとよ」

華は堂々と答えた。

「愛するがゆえに、華が渚のこといじめてたの」
「いや、そんな堂々と言う?」
「だってほんとじゃない」

私たちの話に驚きながら、後輩はそっと聞いた。

「じゃ、じゃあ、なんでそんな仲良くなれたんですか?」

華と私はんー、と悩んで答えを出した。

「そっくりで、何も言わずともお互いの気持ちが手に取るように分かるからかな」
「ねー、華と渚って思考回路がそっくりなのよ」

そう、私たちはそっくりだったんだよね。
好きな人も被るし。

その時、その好きな人と先生が到着した。

「おはようございます、皆さん」

おはようございます、とみんなが挨拶する。

「おはよう…、渚…」
「おはよう柊、遅刻ギリギリだよ」
「…すみません、パートリーダーさん…」
「おいそこ2人、イチャつくなよ」

先生が私たちを指さす。

…すみません。

先生は話を続けた。

「今日は1年の初舞台だな。駅前コンサートは舞台の状態が悪いから、最初にしっかりチューニングすること!それと…」

しっかり説明すると、先生は最後につけ加えた。

「完璧に演奏したやつには、ご褒美してやるよ」

きゃあああ!

1年が騒ぐ。
───騙されないでくれ。
あの人は変態だよ…。
柊をチラッと見ると、柊も私を見ていた。

「ん?どうしたの?」
「…渚やっぱMだな」
「はい?!」

柊はムッとした顔で先生を指す。
…あれれ?
もしかして…